国内臨床開発を経た食道病変の新たな治療選択肢 「C2 CryoBalloon システム」 の国内販売開始に向けた準備を推進
メリットメディカル・ジャパン株式会社
更新日時:11月2日 09時00分
「シーツー クライオバルーンシステム」は、内視鏡下で冷凍アブレーション治療を行う医療機器です。
2026年11月2日
メリットメディカル・ジャパン株式会社
https://www.merit.co.jp/
2026年9月
報道関係各位
メリットメディカル・ジャパン株式会社
国内臨床開発を経た新たな治療選択肢 「C2 CryoBalloon システム」 国内販売開始に向けた準備を推進
発表のポイント
弊社は、食道病変に対する治療法の選択肢のひとつである「C2 CryoBalloon システム」の国内販売開始に向けた準備状況についてお知らせします。
本システムは、内視鏡下でバルーンカテーテルを用い、食道病変に対して冷凍アブレーションを行う医療機器です。
本システムは、医療ニーズの高い医療機器として早期導入に向けた検討を経て、国立がん研究センター東病院および中央病院において医師主導治験を含む国内臨床開発が進められました。
特に、国立がん研究センター東病院 消化管内視鏡科の矢野友規医師らは、医師主導治験の実施を通じて、本システムの有効性および安全性の評価に取り組みました。
本システムは、2022年9月9日の初回承認後、食道がん病変に対する使用目的について2024年6月24日に一部変更承認を取得し、2026年3月1日付で特定保険医療材料として保険適用となりました。
2026年5月には、日本食道学会および日本消化器内視鏡学会より「医療機器『C2 CryoBalloon システム』の適正使用指針」が公表されています。
現在、弊社は、国内販売開始に向けた供給体制および医療従事者向けサポート体制の整備を進めています。
概要
弊社は、国立がん研究センター東病院および中央病院において医師主導治験が実施された医療機器「C2 CryoBalloon システム」について、国内での薬事承認および保険適用を経て、国内販売開始および医療現場への円滑な導入に向けた準備を進めています。
C2 CryoBalloon システムは、内視鏡のワーキングチャンネルを通じて食道内へ挿入するバルーンカテーテルと、これを操作するコントローラから構成される医療機器です。食道病変部でバルーンを拡張させた後、亜酸化窒素ガスを用いて対象組織に冷凍アブレーションを行います。
本システムは、内視鏡的切除後の辺縁遺残や瘢痕上または近傍の再発で、内視鏡的切除が困難である異形成または粘膜内にとどまる食道がん病変を有する患者さんに対し、当該病変を内視鏡下に冷凍アブレーションすることを目的として、2024年6月24日に一部変更承認を取得しました。
また、本システムは2026年3月1日付で、再発食道表在癌に対する特定保険医療材料として保険適用となっています。
現在、弊社は国内販売開始に向けた供給体制およびサポート体制の整備を進めています。
背景
食道表在がん等に対しては、病変の状態に応じて、内視鏡的粘膜切除術、内視鏡的粘膜下層剥離術、放射線治療、外科的治療など、複数の治療選択肢があります。
一方で、内視鏡的粘膜切除術、内視鏡的粘膜下層剥離術などの内視鏡的切除後の辺縁遺残(切除しきれず残ってしまった)病変や、瘢痕化した組織上またはその近傍に生じる再発病変では、再度の内視鏡的切除が技術的に困難となる場合があります。このような患者さんに対しては、身体的負担を抑えつつ、病変に対して適切に治療を行う新たな選択肢が求められてきました。
また、本邦では表在性食道扁平上皮がんが食道がんの多くを占める一方、欧米ではバレット食道関連病変を背景とした腺がんが多いなど、国内外で食道がん診療の背景には違いがあります。
C2 CryoBalloon システムは、こうした日本の食道がん診療の実情を踏まえ、医療ニーズの高い医療機器として早期導入に向けた検討を経て、国内臨床開発が進められました。
C2 CryoBalloon システムについて
C2 CryoBalloon システム(医療機器承認番号:30400BZX00202000)は、内視鏡下で食道病変に対して冷凍アブレーションを行う医療機器です。
本システムは、内視鏡のワーキングチャンネルを通じて食道内へ挿入するバルーンカテーテルと、これを操作するコントローラから構成されます。内視鏡下にバルーンカテーテルを食道病変部へ挿入し、バルーンを拡張させて食道内に固定した後、亜酸化窒素ガスを用いることで対象組織に冷凍アブレーションを行います。
本システムの国内での使用目的は、内視鏡的切除後の辺縁遺残や瘢痕上または近傍の再発で、内視鏡的切除が困難である異形成または粘膜内にとどまる食道がん病変を有する患者さんに対し、当該病変を内視鏡下に冷凍アブレーションすることです。
導入経緯と日本における臨床的意義
C2 CryoBalloon システムは、海外での使用実績のある医療機器である一方、日本においては、国内の食道がん診療の実情を踏まえた臨床開発が必要でした。
厚生労働省の検討資料では、本品は「C2 CryoBalloon Ablation System」として、日本食道学会から要望が出され、医療ニーズの高い未承認医療機器として位置づけられました。
日本では、表在性食道扁平上皮がんが食道がんの多くを占め、内視鏡的切除後の遺残・再発病変や瘢痕部病変に対する再治療として内視鏡的切除が行われてきましたが、治療が難しかったり治療中に食道に穴があくなどの合併症が多かったり、再発が多いなどの課題があります。
本システムは、こうした国内の医療ニーズを踏まえて臨床開発が進められ、日本の患者さんおよび医療現場に即した使用目的で薬事承認を取得しました。
このことは、単なる海外製品の導入にとどまらず、日本の食道がん診療における未充足ニーズに対応する新たな治療選択肢として、本システムが評価されたことを示しています。
国立がん研究センターにおける医師主導治験の実施
国立がん研究センター東病院および中央病院では、C2 CryoBalloon システムの有効性および安全性を評価するための医師主導治験が実施されました。
国立がん研究センター東病院 消化管内視鏡科の矢野友規医師、砂川弘憲医師らは、内視鏡治療後の遺残・再発病変など、再度の内視鏡的切除が困難な病変を有する患者さんを対象として、本システムの有効性および安全性を評価する医師主導治験を実施しました。国立がん研究センター中央病院は、本医師主導治験の治験実施施設の一つとして参加しました。
国内で実施された医師主導治験(EPOC1902試験)では、内視鏡治療後の瘢痕上または近傍に生じた表在性食道扁平上皮がん患者15例を対象に、本システムの有効性および安全性が非盲検、単群、多施設で評価されました。適正使用指針では、主要評価項目である1年後の局所完全奏効割合が100%であったこと、治療に関連する有害事象が4例に4件発現したこと、CTCAE Grade 3以上の重篤な治療関連有害事象は発現しなかったことが記載されています。
国内での薬事承認および保険適用の状況
C2 CryoBalloon システムは、2022年9月9日に国内で異形成又は非浸潤型腺癌を伴うバレット食道病変を有する患者に対し、内視鏡的切除の辺縁遺残病変である場合又は追加的な内視鏡的切除が困難である場合に当該病変組織を内視鏡下に冷凍アブレーションすることを目的に初回承認を取得した医療機器です。その後、内視鏡的切除後の辺縁遺残や瘢痕上または近傍の再発で、内視鏡的切除が困難である異形成または粘膜内にとどまる食道がん病変に対する使用目的について、2024年6月24日に一部変更承認を取得しました。その後、本システムは2026年3月1日付で、再発食道表在癌に対する特定保険医療材料として保険適用となりました。
保険適用にあたり、2026年5月には日本食道学会および日本消化器内視鏡学会より「医療機器『C2 CryoBalloon システム』の適正使用指針」が公表されています。
適正使用指針では、実施施設基準、実施医師基準、使用上の留意事項、治療対象領域に関連する医学会等と協力した患者情報の収集などが示されています。
今後の展望
弊社は、C2 CryoBalloon システムの国内販売開始に向け、供給体制、医療従事者への情報提供、トレーニング、サポート体制の整備を進めています。
本システムの国内導入にあたっては、適正使用指針に基づき、実施施設・実施医師の要件、患者選択、治療後の経過観察、安全管理体制などを踏まえた適正使用が重要となります。
弊社は、医療機関、関連学会、関係者の皆様と連携し、医療現場への円滑な導入と適正使用に向けた体制整備に努めてまいります。
なお、日本国内での販売開始時期、供給体制、詳細な製品情報については、準備が整い次第、弊社より改めて案内させていただく予定です。
※本資料に記載している将来に関する事項は、現時点における見通しであり、今後の状況により変更となる可能性があります。
コメント
国立がん研究センター東病院 消化管内視鏡科 科長
矢野 友規 医師
食道表在がんに対する内視鏡治療は大きく進歩してきましたが、内視鏡的切除後の瘢痕部やその近傍に生じる遺残・再発病変では、再度の内視鏡的切除が困難となる場合があります。内視鏡治療を行うことが困難な遺残・再発病変を有する患者さんに対しては、外科手術や放射線治療など侵襲の大きな治療が必要となります。これらの患者さんに対して新しい低侵襲な内視鏡治療方法の開発を目指して、国立がん研究センターでは内視鏡治療後遺残再発病変を有する患者さんを対象にC2 CryoBalloon システムの有効性と安全性を評価するための医師主導治験を実施しました。医師主導治験では、全ての患者さんで簡便かつ安全に治療を行うことができ、高い有効性を確認することができました。本試験の結果を用いて、国内での薬事承認および保険適用に至りました。
内視鏡治療後に遺残または再発し再度内視鏡で切除することが難しい病変を持つ患者さんに対してこの新しい内視鏡治療が実臨床に導入されることを嬉しく思っています。
メリットメディカル・ジャパン株式会社
代表取締役社長 櫻井 雅俊
C2 CryoBalloon システムの国内導入に向け、国立がん研究センターをはじめとする医療機関、関連学会、関係者の皆様の多大なるご尽力に深く感謝申し上げます。
本システムは、食道病変に対する冷凍アブレーションを用いた新たな治療選択肢として期待される医療機器です。
弊社は、適正使用指針に基づく情報提供、トレーニング、サポート体制の整備を通じて、医療現場への円滑な導入と適正使用に貢献してまいります。
用語解説
C2 CryoBalloon システム
内視鏡下に食道病変へアプローチし、バルーンを介して冷凍アブレーションを行う医療機器です。バルーンカテーテルとコントローラから構成されます。
冷凍アブレーション
低温を利用して標的組織を治療する方法です。C2 CryoBalloon システムでは、亜酸化窒素ガスを用いて対象組織に冷凍アブレーションを行います。
内視鏡的切除
内視鏡を用いて消化管内の病変を切除する治療法です。代表的な方法として、内視鏡的粘膜切除術、内視鏡的粘膜下層剥離術などがあります。
国内臨床開発
本リリースにおける「国内臨床開発」とは、日本国内において本システムの有効性および安全性を評価するために実施された医師主導治験等を含む、薬事承認取得に向けた一連の臨床的な評価・検討を指します。
適正使用指針
医療機器を安全かつ適切に使用するために、対象患者、実施施設、実施医師、使用上の留意事項などを示した文書です。C2 CryoBalloon システムについては、2026年5月に日本食道学会および日本消化器内視鏡学会より公表されています。

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