生成AI時代の情報戦略は「量」に加え 「注力テーマとブランドの一貫した紐づけ」へ
株式会社電通PRコンサルティング
更新日時:10月2日 13時00分

-GEO研究プロジェクト、メディア露出と生成AI言及の関係性を分析-

2026年10月2日
株式会社電通PRコンサルティング

生成AI時代の情報戦略は「量」に加え 「注力テーマとブランドの一貫した紐づけ」へ -GEO研究プロジェクト、メディア露出と生成AI言及の関係性を分析-

 

 株式会社電通PRコンサルティング(本社:東京都港区 代表取締役社長執行役員:山口 恭正 以下、電通PRコンサルティング)と株式会社電通デジタル(本社:東京都港区 代表取締役社長執行役員:瀧本 恒 以下、電通デジタル)は、GEO(生成エンジン最適化)共同研究プロジェクト※1の一環として、「メディア露出と生成AI言及の相関分析」に関する調査結果を発表しました。あわせて、本調査を踏まえた「GEO分析・対策支援パッケージ」の提供を開始します。

 

調査目的・概要

 生成AIを活用した情報検索の普及に伴い、企業やブランドが生成AI上でどのように認識・推奨されるかは、企業のマーケティング施策における新たな課題となっています。 こうした背景のもと、本調査ではメディア露出が生成AIの回答に与える影響を分析するため、「商品の露出量」と「企業・ブランドの情報発信と蓄積」の2つの視点から実態調査および相関分析を実施しました。

 

本調査の主な結果

1.商品のメディア露出量と生成AIでの言及数には「強い正の相関」がある

 報道露出が多く、市場展開商品数が豊富な主要4カテゴリ(新電力、クレジットカード、ワイヤレスイヤホン、コミュニケーションツール)の計39商品について、「メディアでの商品露出数」と「生成AIでの言及数」の関係を分析しました。 その結果、4カテゴリ全体では強い正の相関関係(相関係数:0.80※2)が確認されました。つまり、メディアで商品名が取り上げられる頻度が高いほど、生成AIもその商品について多く言及する密接な関連があることが分かりました。


【図表1】商品のメディア露出数と生成AI言及数の相関分析

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202610017065-O5-n54iZX3U】

 

 

2.特定カテゴリにおける「報道・公式発信情報の蓄積」と「一貫したブランド発信」が、生成AIの第一言及獲得に寄与する

 次に「企業・ブランドの情報発信と蓄積」を分析するため、大手小売4社(A社〜D社)を対象に、計31商品カテゴリにおける取扱商品や利用シーンに関する質問を4つの主要生成AIに行い、回答の最初に言及された企業を分析しました。

 全31商品カテゴリのうち衣料品カテゴリを除く30カテゴリにおいては、B社が第一言及において最多の割合(中央値72.8%)を占めていました。しかし、「衣料品」のカテゴリにおいてのみ、A社が第一言及(60.2%)を獲得し、B社(38.8%)を上回る結果となりました。

 

【図表2】生成AI回答で最初に言及された企業の構成比 (衣料品/衣料品以外、生成AI別) ※グラフ内の数値は、小数第1位を四捨五入した整数値を表記しています。

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202610017065-O6-4fWv9rq6】

 

<A社が衣料品カテゴリで第一言及を獲得できたポイント>

 A社の過去データを分析したところ、第一言及獲得のポイントとして以下の4つの傾向が確認されました。

【報道の蓄積(アーンドメディア)】

①多角的な報道の蓄積:A社の衣料品に関するウェブニュース掲載数は2022年から2025年にかけて1.8倍に増加し、報道見出しのバリエーションも拡大していました。また、「報道見出しへの登場回数」と「生成AIの第一言及獲得率」には正の相関があることが確認されました。

 

【公式情報の発信(オウンドメディア)】

②過去のニュースリリースの長期的な参照:A社が2025年に発表した新商品リリースのURLを、1年以上経過した2026年7月時点でも4つの生成AIすべてが参照していました。2年以上前のリリースが参照される例も確認されています。

 

③公式サイトの高い参照率:A社の公式サイトが参照された割合(54.8%)は、大手小売4社中で最多でした。

 

【一貫したメッセージング】

④ブランド名の一貫した使用:生成AIの衣料品に関する回答の72.4%に、A社の「企業名」だけでなく「ブランド名」が登場していました。

 

調査結果からの示唆(生成AI時代に向けた企業の対策)

 本分析により、生成AI時代のコミュニケーション設計では、単に情報露出量を増やすだけでなく、「どの注力カテゴリとブランドを結びつけて社会に認識してもらうか」という一貫したメッセージ発信が重要であることが示唆されました。

 A社の第一言及獲得のポイントを踏まえ、広報・マーケティング活動において以下の3つの取り組みを推奨します。

 

【「報道内容」を意識した注力カテゴリごとの露出機会創出】

伸ばしたい注力カテゴリやテーマごとに、意図的な報道機会を作ることが有効です。

 

【生成AI認識とブランドとの結びつけを強化する「ブランド名の一貫した使用」】

ニュースリリースや報道記事において、企業名だけでなく「ブランド名」を一貫して使い続けることが重要です。

 

【公式発信情報と報道メディアの両輪での「継続的な更新」】

生成AIは、公式サイトやニュースリリースに加え、ウェブメディアの報道記事も幅広く参照しています。公式情報の適切な更新と、外部メディアでの露出機会の創出を分断せず両立させることが重要です。

 

「GEO分析・対策支援パッケージ」を提供開始

 GEOの推進には、単なる生成AI向けの情報調整ではなく、生成AI上で企業がどう認識されているかを捉える「デジタルの視点」と、社会で企業やブランドがどのようなテーマと結びついて語られているかを捉える「PRの視点」の両輪が求められます。

 

 電通PRコンサルティングと電通デジタルは本調査結果を踏まえ、両社によるGEO研究プロジェクトの一環として、生成AI上の可視化と社会での一貫した認知形成を一体で捉える「GEO分析・対策支援パッケージ」の提供を開始します。

 生成AIと報道の双方で自社・競合がどのように語られているかを可視化し、発信したいメッセージとのギャップを把握した上で、オウンド・ペイド・アーンドメディアを横断した施策の設計・実施・モニタリングまでを総合的に支援します。

 

 

<調査概要>

■調査時期

①メディア露出と生成AI言及の相関分析(4カテゴリ39商品)

・生成AI回答:2026年5月計測

・ウェブニュース:2025年10月〜2026年3月の掲載分

②小売業界の分析(大手小売4社)

・生成AI回答:2026年7月計測

・ウェブニュース:2022年1月〜2026年8月の掲載分

■対象生成AI:①②とも主要な生成AI(4つのプラットフォーム)

■調査主体:電通デジタル、電通PRコンサルティング

■対象

①主要 4カテゴリに含まれる39商品(新電力、クレジットカード、ワイヤレスイヤホン、コミュニケーションツール)(回答918,010件)

②大手小売4社における、食品・日用品・衣料品など計31商品カテゴリの取扱商品や利用シーンに関する1,812問(回答7,248件)、およびA社の衣料品に関するウェブニュース16,292件掲載(751媒体、転載を含む)

■調査項目

①企業露出数/商品のメディア露出数/生成AI言及数

②生成AIの回答で最初に言及された企業の割合/A社の衣料品に関するウェブニュースの掲載数・見出し数/生成AIが参照したウェブページ

 

※本分析は相関関係を示したものであり、因果関係を示すものではありません。

 

※1:電通PRコンサルティング、電通デジタルと共同でメディア露出と生成AI回答の関係性を基点に、生成AI時代の情報設計を支援するGEO研究プロジェクトを発足(2026年8月19日発表)

https://www.dentsuprc.co.jp/news/20260819/

※2:Pearson相関係数により算出

Pearson相関係数とは、2つの数値の間にある直線的な関係の強さと方向を、−1から1の値で表す指標です。1に近いほど「一方が大きいほど他方も大きい」という関係が強く、0は関係がないこと、−1に近いほど「一方が大きいほど他方は小さい」という関係が強いことを示します。一般的に0.7以上は強い相関とされます。

 

【表】

 

<電通PRコンサルティングについて>https://www.dentsuprc.co.jp/

電通グループ内のPR領域における専門会社。1961年の創立以来、国内外の企業、政府、自治体、団体の戦略パートナーとして、レピュテーション・マネジメントをサポートしています。データ分析を行い、そこから得られたインサイトに基づくコンテンツ開発と最適な情報流通デザインを通して、クライアントと共にソーシャルイノベーションへの貢献を目指しています。2009年、2015年には、日本国内で最も優れたPR会社に贈られる「ジャパン・コンサルタンシー・オブ・ザ・イヤー」を、2018年には「北アジアPRコンサルタンシー・オブ・ザ・イヤー」をPRovoke Media (旧Holmes Report)から授与されています。