再発または難治性の多発性骨髄腫患者さんを対象の第3相試験でエテンタミグの良好なトップライン結果を発表
アッヴィ合同会社
更新日時:9月28日 13時00分
2026年9月28日
アッヴィ合同会社
アッヴィ、再発または難治性の多発性骨髄腫患者さんを対象とした第3相CERVINO試験において、エテンタミグが奏効率および無増悪生存期間を有意に改善した良好なトップライン結果を発表
ー 開発中の治験薬であるエテンタミグは、治験責任医師が選択した既存の標準的な治療法と比較して、客観的奏効率(ORR、74%)を有意に改善し、病勢進行または死亡のリスクを60%低減(無増悪生存期間[PFS]、ハザード比0.40)
ー エテンタミグは、単回のステップアップ投与後、開始時から月1回(Q4W、4週ごと)投与で、サイトカイン放出症候群(CRS)および致死的感染症の発現率が低いことを示す
ー エテンタミグの投与スケジュールおよび臨床プロファイルは、患者さんおよび医療従事者にとって新たな治療選択肢となる可能性
ー 本結果は、第2世代のBCMA標的T細胞誘導性二重特異性抗体であるエテンタミグが、外来診療や地域医療を含む幅広い治療環境での治療実現に貢献する可能性を示唆
イリノイ州ノースシカゴ、2026年9月3日(米国時間)-アッヴィ(NYSE: ABBV)は本日、プロテアソーム阻害剤、免疫調節薬および抗CD38モノクローナル抗体の3クラスの薬剤による治療歴を有する再発または難治性の多発性骨髄腫(RRMM)患者さんを対象に、開発中のBCMA x CD3二重特異性T細胞誘導薬であるエテンタミグと既存の標準治療(SAT)を比較評価した第3相CERVINO試験1の良好なトップライン結果を発表しました。本試験は、客観的奏効率(ORR)および無増悪生存期間(PFS)の2つの主要評価項目を達成しました。詳細な結果は、2026年9月23日から26日までスコットランド・グラスゴーで開催される第23回International Myeloma Society(国際骨髄腫学会)年次総会のプレナリーセッションで発表される予定です。
データカットオフ時点で、第3相CERVINO試験には、治療歴の中央値が3ラインであった393例が組み入れられていました。追跡期間中央値11.4カ月時点において、エテンタミグは管理可能な安全性プロファイルとともに、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある有効性を示しました。
・エテンタミグはSATと比較して、ORRを有意に改善しました(74.0%[95%CI:67.25~79.97]対45.7%[95%CI:38.59~52.91]、P<0.0001)2
・エテンタミグはSATと比較して、PFSを有意に改善しました(HR:0.40、95%CI:0.29~0.54、P<0.0001)。PFSのベネフィットは、事前に規定されたすべてのサブグループで一貫して認められました2
・12カ月時点の全生存率(OS)は、エテンタミグ群で87.9%、SAT群で72.0%でした(HR:0.48、95%CI:0.29~0.77、名目上のP=0.0012)。データカットオフ時点では、事前に規定されたOSの有効性境界は超えていませんでした2
・単回のステップアップ投与および開始時からの月1回(Q4W)投与により、エテンタミグは新たな安全性プロファイルを示す可能性が示唆されました。グレード3/4の感染症は、エテンタミグ群で27.7%、SAT群で19.2%に認められました。グレード5の感染症はエテンタミグ群で1.5%、SAT群で3.1%でした。単回のステップアップ投与を受けた患者さんにおけるサイトカイン放出症候群(CRS)の発現率は低く(28.3%)、主にグレード1(23.9%)であり、グレード3以上の事象は報告されませんでした。免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)は1例(0.9%、グレード1)に認められ、グレード2以上の事象は報告されませんでした。治療下で発現した有害事象に関連する投与中止率は、SAT群と比較してエテンタミグ群で低く認められました(3.6%対9.6%)2
今回の解析はCERVINO試験で計画された初回の有効性中間解析であり、有意なベネフィットに基づき、独立データモニタリング委員会(IDMC)は試験の盲検解除を推奨しました。
アメリカ、アトリウム・ヘルス・レバインがん研究所 形質細胞疾患部門長(Chief, Plasma Cell Disorders Division at Atrium Health Levine Cancer Institute)であり、CERVINO試験の治験責任医師(investigator)である Dr. Peter Voorheesは次のように述べています。「これまでに複数の治療を受け、3クラスの薬剤による治療歴を有する患者集団において、エテンタミグは、主に低グレードのサイトカイン放出症候群を特徴とする管理可能な安全性プロファイルとともに、無増悪生存期間および奏効率における臨床的に意義のある改善を示しました。投与方法および投与スケジュールも踏まえると、これらの結果は、エテンタミグがBCMA標的二重特異性治療薬として、多発性骨髄腫患者さんに対する新たな治療選択肢となり得ることを示唆するものです。また、専門治療施設にとどまらず、外来診療や地域医療を含む幅広い治療環境で提供できる可能性を示しています」
BCMA標的二重特異性抗体およびCAR-T療法は多発性骨髄腫治療を大きく変えてきましたが、CRS、神経毒性、感染症などの有害事象に加え、専門的なモニタリングおよび治療体制を必要とすることが、導入の制約となっています。これらは、特に地域医療の現場において、多くの患者さんの治療アクセスを制限する可能性があります。疾患が再発し、利用可能な治療選択肢が限られていく中で、幅広い治療環境で使用できる追加の治療選択肢には、依然として重要なアンメットニーズが存在します3, 4, 5。
アッヴィのvice president兼therapeutic area head, oncology, solid tumor and hematologyであるDaejin Abidoye、M.D.は次のように述べています。「第3相CERVINO試験の結果は、エテンタミグの背景にあるサイエンスのアプローチを支持するとともに、管理可能な安全性プロファイル、利便性の高い投与スケジュール、そして外来診療や地域医療での治療可能性を通じて、多発性骨髄腫の疾患特性と患者さんおよび医療従事者がもつ実臨床上のニーズの双方に対応する治療設計の価値を示すものです。今回の結果は、エテンタミグに対する私たちの確信を強めるものであると同時に、時間の経過とともに異なる疾患メカニズムや患者さんのニーズに対応すべく、相補的なT細胞誘導薬、標的低分子医薬品、科学的根拠に基づく併用療法の開発を推進する当社の包括的な多発性骨髄腫に関する戦略を裏付けるものです」
IMSでの発表概要
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102977/202609256649/_prw_PT1fl_vqmSUghy.png】
エテンタミグは開発中の医薬品であり、世界のいずれの規制当局からも承認されていません。
CERVINO試験について1
CERVINO(NCT06158841)は、プロテアソーム阻害剤、免疫調節薬および抗CD38モノクローナル抗体による治療歴を含む、少なくとも2ライン以上の前治療歴を有する再発または難治性の多発性骨髄腫(RRMM)患者さんを対象に、エテンタミグと治験責任医師が選択した既存の標準治療(SAT)を比較評価する、グローバル、第3相、多施設共同、無作為化、非盲検試験です。患者さんは、4週間に1回(Q4W)投与されるエテンタミグ群、またはカルフィルゾミブ+デキサメタゾン、エロツズマブ+ポマリドミド+デキサメタゾン、もしくはセリネキソル+ボルテゾミブ+デキサメタゾンを含むSAT群に1:1で無作為に割り付けられました。エテンタミグは、単回のステップアップ投与後、開始時から月1回(Q4W)投与する最適化されたレジメンにより投与されました。
CERVINO試験の2つの主要評価項目はORRおよびPFSです。主な副次評価項目には、OS、奏効の深さ、微小残存病変(MRD)陰性率、疾患症状および身体機能が含まれます。
エテンタミグについて
エテンタミグは、B細胞成熟抗原(BCMA)およびCD3を標的とする開発中の第2世代二重特異性抗体T細胞誘導薬です。多発性骨髄腫に対する有効な抗骨髄腫活性と、患者さんにとって新たな治療経験を両立するよう設計されています。エテンタミグは、サイトカイン放出症候群(CRS)および感染症を低減することを目的に設計された低親和性CD3結合ドメイン、高アビディティの二価BCMA結合ドメイン、ならびに単回のステップアップ投与後の月1回(Q4W)投与を可能にするFcRn結合保持を特徴としています。これらの構造活性相関に関する臨床的な関連性は、現時点では完全には確立されていません6。
BCMAは多発性骨髄腫における悪性形質細胞の表面に高発現しており、治療標的として適した分子です。BCMAは、骨髄腫細胞の増殖を促進し、アポトーシス(プログラム細胞死)を抑制することで、骨髄腫細胞の生存に重要な役割を担っています5。
複数の臨床試験において、さまざまな患者集団および治療環境におけるエテンタミグの可能性が評価されています。アッヴィが実施中のエテンタミグの臨床試験については、clinicaltrials.govをご覧ください。
がん分野におけるアッヴィについて
アッヴィでは、治療が困難ながんと向き合う世界中の患者さんに対し、治療水準の向上と革新的な治療法の提供に尽力しています。当社は、血液がんおよび固形がんの幅広い領域において、開発中の治療法からなる多様なパイプラインを推進しています。私たちは、がん細胞の増殖を抑制する、またはその排除を可能にする標的治療薬の創出に注力しています。その実現に向けて、低分子医薬品、抗体薬物複合体(ADC)、免疫腫瘍学に基づく治療薬、二重特異性抗体、新規CAR-Tプラットフォームなど、さまざまな分子標的治療モダリティおよび生物学的アプローチを活用しています。専門性の高い経験豊富なチームが革新的なパートナーと協力し、画期的新薬となり得る治療薬の開発促進に努めています。
現在、当社の広範なオンコロジーポートフォリオには、血液がんおよび固形がんの幅広い領域を対象とする承認済み治療薬と開発中の治験薬が含まれています。世界で最も広く蔓延し、深刻な負担をもたらすがんの一部を対象に、複数の臨床試験において35件を超える開発中の医薬品を評価しています。人々の生活に大きな影響をもたらすべく取り組む中で、患者さんが当社のがん治療薬にアクセスできるよう、ソリューションの検討にも取り組んでいます。
詳細については、http://www.abbvie.com/oncologyをご覧ください。
アッヴィについて
アッヴィのミッションは現在の深刻な健康課題を解決する革新的な医薬品の創製とソリューションの提供、そして未来に向けて医療上の困難な課題に挑むことです。一人ひとりの人生を豊かなものにするため次の主要領域に取り組んでいます。免疫疾患、精神・神経疾患、がん、さらに美容医療関連のアラガン・エステティックスポートフォリオの製品・サービスです。アッヴィの詳細については、www.abbvie.com をご覧ください。LinkedIn, Facebook、Instagram、XやYouTubeでも情報を公開しています。
References:
1.AbbVie. Data on file ABVRRTI83865.
2.Voorhees P, Manteca V, Costa L, et al. "CERVINO: Phase 3 Results of エテンタミグ vs. Investigator's Choice of Standard Available Therapies in Triple-Class Exposed Relapsed or Refractory Multiple Myeloma (RRMM)." Abstract presented at International Myeloma Society Annual Meeting, 2026. Glasgow, Scotland.
3.Hej-Ali S, Banwell K, Mohamed H, et al. Toxicities of CAR-T, bispecific antibodies, and antibody-drug conjugates in multiple myeloma: a practical approach to risk mitigation and management. Cancers (Basel). 2026;18(13):2083. doi:10.3390/cancers18132083.
4.Benda M, Reimann P, Willenbacher W, et al. Infectious toxicities associated with bispecific antibodies and CAR-T cells in multiple myeloma: a systematic review. Ann Hematol. Published online June 18, 2026. doi:10.1007/s00277-026-07140-8.
5.Graham T, Ackbarali T, Patel K, Richter J. Integrating bispecific antibodies into community myeloma care: challenges, insights, and educational impact. Blood. 2025;146(suppl 1):8134. doi:10.1182/blood-2025-8134.
6.D'Souza A, Shah N, Rodriguez C, et al. A phase I first-in-human study of ABBV-383, a B-cell maturation antigen × CD3 bispecific T-cell redirecting antibody, in patients with relapsed/refractory multiple myeloma. J Clin Oncol. 2022;40(31):3576-3586. doi:10.1200/JCO.22.01504.

