【ニュースレター】鮒ずしや地酒だけじゃない! 発酵の聖地・滋賀でいま「クラフト酒」がアツい
滋賀県
更新日時:9月28日 11時00分
ミードやビール、ワイン、ウイスキーなど小さな醸造所・蒸留所から生まれた滋賀のお酒が世界を席巻
2026年9月28日
滋賀県
鮒ずしや地酒だけじゃない! 発酵の聖地・滋賀でいま「クラフト酒」がアツい ミードやビール、ワイン、ウイスキーなど小さな醸造所・蒸留所から生まれた滋賀のお酒が世界を席巻
滋賀県は、鮒ずしをはじめとする伝統的な発酵文化が息づく県です。豊かな水と米に恵まれ、発酵を生かした日本酒づくりも古くから盛んに行われてきました。滋賀の酒と聞くと、日本酒を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
しかし、そんな滋賀でいま熱い盛り上がりを見せているのが、小さな醸造所・蒸留所から生まれた「クラフト酒」です。2026年2月には、滋賀県産のミード(はちみつ酒)が世界最大級のミードコンペティションでグランプリを受賞。2025年4月には、滋賀県内でクラフトビールを醸造する12社が集結して「滋賀クラフトビールアソシエーション(SCBA)」が設立され、つくり手同士の連携も強化されました。さらに、2025年11月には、ブドウ農家が自ら栽培したブドウで醸造したワインが初出荷されるなど、話題は尽きません。
つくり手のこだわりが詰まった、ユニークで魅力的な滋賀の「クラフト酒」を多数ご紹介します。
※本ニュースレターでは、小規模な醸造所・蒸留所が、地域の素材や独自の製法を生かしてつくる酒を『クラフト酒』と呼びます。
滋賀で酒づくりが盛んな理由
伊吹山系、鈴鹿山系、比良山系などの山が、琵琶湖を取り囲むようにそびえる滋賀県。山々に降った雨や雪は地下水となって湧き出したり、川を流れたりして琵琶湖へと注ぎます。この豊かな水が良質な米を育み、水と米という日本酒に欠かせない恵みにより、酒づくりが発展していきました。そんな滋賀の「水」と「酒づくり文化」、さらには「発酵文化」を背景に、近年は小さな醸造所・蒸留所が多数開設され、さまざまな「クラフト酒」が誕生しています。
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M103190/202609256617/_prw_OT1fl_qR2p9fB6.png】
「クラフト酒」とは?
「クラフト酒」とは、小規模な醸造所・蒸留所がつくる個性豊かなお酒のことです。クラフト(craft)は、英語で「技術」「技能」「手仕事」などの意味があり、大手メーカーの大量生産とは異なり、つくり手が原料や製法にこだわって職人技を活かしてつくるお酒といえます。
滋賀の「クラフト酒」の特徴は、ビールの知識を持つ醸造家がミードをつくったり、ビール醸造所がウイスキーを蒸溜したり、日本酒の酒蔵がワインやウイスキーに挑戦したりなど、お酒の種類の枠を超えた取り組みが活発なことがあげられます。
ミード(はちみつ酒)
2026年「Mead Madness Cup Pro 2026」最高賞受賞
野洲市のミード醸造所「ANTELOPE(アンテロープ)」が、ポーランドで開催された世界最大級のミードコンペティション「Mead Madness Cup Pro 2026」で、出品された777種類中、最高位となる「Grand Champion PRO 2026」を受賞しました。日本勢の最高位受賞は初。
受賞銘柄は「Aurea13」。国産蜂蜜を使用し軽やかな発泡感とマスカットやミントのような香りが特徴です。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202609256617-O15-D20b72jC】
[そもそもミードとは?]
はちみつ・水・酵母菌を発酵させてつくるお酒。日本では馴染みが薄いものの、世界最古のお酒ともいわれています。はちみつのお酒ですが、決して甘口ばかりではありません。発酵の加減によって辛口から甘口まで幅広い味わいに仕上げることができ、また、はちみつの種類によっても味が変化します。はちみつ・水・酵母菌のみでつくる伝統的なミードのほか、そこにフルーツ、ハーブ、スパイス、穀物などを加えることで、バラエティ豊かな味わいのミードをつくることもできます。
[醸造所ピックアップ]
●ANTELOPE(野洲市)
[URL]https://antelopemeadery.com/
代表者は谷澤優気(やざわゆうき)さん。京都大学農学部卒業後、クラフトビールの修業を経て醸造所の設立を計画。しかし2019年、起業準備中にミードと出会い、そのおいしさと設計の自由度の高さに衝撃を受け、計画を変更。2020年に、日本初のミード専門醸造所を立ち上げました。現在は、フルーツやスパイスなどを使った、爽やかでドライなミードを数多く醸造しています。
クラフトビールづくりで培った技術や知識は、ミードづくりにも活かされています。たとえば、甘みを残すために発酵を止める工程では、クラフトビール用の加熱設備が使われています。
また、温暖化の影響で湿度が高まり、その結果水分が増えて、流通に乗りにくくなった国産はちみつも積極的に活用。水分が多いというデメリットとも思われる特徴により、かえって香りや風味が複雑で、高品質なミードに仕上がるといいます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202609256617-O12-n18p6O75】
クラフトビール
2025年「滋賀クラフトビールアソシエーション」発足
2025年4月、滋賀県内の12の醸造所が集まり「滋賀クラフトビールアソシエーション(SCBA)」が設立されました。技術の向上や知識の共有、地元ビール業界の活性化と魅力発信を目的としています。代表には「二兎醸造(Two Rabbits Brewing Company)」のショーン・コレットさんが就任。各社によるコラボビールも誕生しています。
[12の醸造所]
ANTELOPE(野洲市)、R_BREWERY(竜王町)、石山ロックブルワリー(大津市)、近江麦酒(大津市)、キリンビール滋賀工場(多賀町)、くにうみ醸造所(多賀町)、ケンちゃんビール(彦根市)、二兎醸造(Two Rabbits Brewing Company)(近江八幡市)、長浜浪漫ビール(長浜市)、彦根麦酒(彦根市)、HINO BREWING(日野町)、FLORA FERMENTATION(東近江市)
[醸造所ピックアップ]
●二兎醸造(Two Rabbits Brewing Company)(近江八幡市)
[URL]https://www.tworabbitsbrewing.com/
オーストラリア出身のショーン・コレットさんが、妻のコレット理子(あやこ)さんと運営。オーストラリアとニュージーランド産のホップを多用し、高品質で飲みやすく、遊び心に溢れた多様なビールを生産。社名は「二兎を追う者は一兎をも得ず」の逆説として、一つのことに集中し精進するという意味が込められています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202609256617-O1-ony1jDXX】
●HINO BREWING(日野町)
[URL]https://hinobrewing.jp/
「日野祭」で出会った、日野町出身の田中宏明さん(酢屋忠本店(すやちゅうほんてん)6代目)、イギリス出身のトム・ヴィンセントさん、ポーランド出身のショーン・フミエンツキさんが立ち上げた醸造所。「祭」をテーマに、祭りに合うビールを醸造し、ビールを通じて地域を盛り上げています。また、収益の一部を祭りの発展や文化継承活動へ寄付しています。ビールは、約30年前にドイツ・ババリア地方でつくられた1000リッターの手動式ブルーハウズを復活させた設備で仕込まれています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202609256617-O16-t7a69F9R】
●近江麦酒(大津市)
[URL]https://omibeer.jp/
元プログラマーの山下友大さんが立ち上げた醸造所。毎月、滋賀県産の季節の果物などを使った限定醸造ビールを製造。小さな工場でロットも小さいため、鮒ずしなどを使ったおもしろいビールを製造することも。ビールの仕込み体験ができる「1日ビール造り体験」や、醸造所開設をめざす方のための「ビール講座」も実施しています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202609256617-O11-57AEFy3K】
ワイン
2025年県内初の「ドメーヌワイナリー」がワインを初出荷
2025年11月、近江八幡市の「空色ワイナリー」が自社醸造ワインを初出荷しました。このワイナリーは、ブドウ農家が栽培から醸造までを一貫して行う滋賀県初のドメーヌワイナリー。出荷されたのは、白のシャルドネを使った「Ohminoryシャルドネ」と、赤のシラー、サンジョベーゼを使った「Ohminoryルージュ」の2種。
2年目となる2026年のワインの完成を祝う「2026 ヌーヴォー祭」は、11月下旬に開催される予定です。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202609256617-O3-XXGW1L6j】
[醸造所ピックアップ]
●空色ワイナリー(近江八幡市)
[URL]https://www.sorairo-winery.com/
代表の三崎清隆さんは、滋賀県立農業大学校果樹専攻を2006年に修了。ワインの製造技術を学ぶため、ワイナリーや酒蔵での勤務を経て、2011年に「空色農園」を立ち上げてブドウ栽培を始め、2023年に「空色ワイナリー」設立。
農園があるのは、かつて田んぼだった土地。ブドウ栽培には水はけのよい土地が適しているため、土地の高低差を整え、暗渠排水を導入して、水はけを改善。地元の森から採取した腐葉土を混ぜ込み、この地に適した微生物群を定着させ土壌改良を行いました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202609256617-O8-2IRD8zIg】
●ヒトミワイナリー(東近江市)
[URL]https://nigoriwine.jp/
すべてのワインが、国産ブドウを酸化防止剤や培養酵母を使用せずに無濾過で造る「にごりワインかつ日本ワイン」専門のワイナリーです。無濾過のため酵母やオリが残り、豊かな果実と発酵の香りや味わいが特徴です。
ワインと一緒に楽しめる自家製のパンは、自社培養した天然酵母やワイン酵母などで焼き上げています。オリジナルのチーズやワインビネガーはお酒が飲めない方にも大人気です。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202609256617-O7-Nf10DdTs】
●栗東ワイナリー(栗東市)
[URL]https://www.ohta-shuzou.co.jp/sake_brewery/ritto-winery/
清酒「道灌」で知られる1874年創立の「太田酒造」が手がけるワイン。ワインづくりは1949年から。久邇宮家(くにのみやけ)より譲り受けた栗東市浅柄野の荒地を、表土と底土を入れ替える「天地返し」と呼ばれる工事を行い、地下に水路を埋めて、ブドウ栽培に適した水はけの良い農園に改良しました。
国内で数社しか醸造していない希少品種のブドウ「レッドミルレンニューム」を、自社で栽培・醸造。味わいはやや甘口で、ライチのような甘い香りと豊かな酸味が特徴です。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202609256617-O14-CPq20h02】
ウイスキー
2025年「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2025」ツーリズム賞受賞
長浜市の「長濱蒸溜所」は「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2025」で洋酒部門の特別賞「ツーリズム賞」を受賞。ウイスキー蒸溜所を通じた観光振興や地域活性への貢献が評価されました。これまでに、ポットスチルを用いた「蒸溜体験ツアー」や、異なる樽で熟成されたウイスキーの原酒をブレンドする「カスクブレンド体験」、ブレンドからラベルデザインまで自分だけの1本をつくる「オリジナルボトル製作体験」などが開催されました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202609256617-O9-iRzCB0nV】
[蒸留所ピックアップ]
●長濱蒸溜所(長浜市)
[URL]https://www.romanbeer.com/whisky/
「長濱浪漫ビール」の創業20年記念事業として、同施設内に2016年に誕生したウイスキー部門。日本最小クラスの蒸溜所。「World Whiskies Awards 2022」では、「AMAHAGAN エディション山桜」と「シングルモルト長濱」が部門最高賞を受賞しました。
閉校した「七尾小学校」の建物を長浜市から借り受け、そこに熟成庫AZAI FACTORYを設置。見学ツアーも実施しています。また、琵琶湖に浮かぶ竹生島にも熟成庫を持っています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202609256617-O6-tcJds7ct】
●琵琶湖蒸溜所(高島市)
[URL]https://www.biwako-distillery.jp/
1865年創業の清酒「松の花」で知られる「川島酒造」が、2021年に設立し、2023年から蒸溜を開始したウイスキー蒸溜所。「琵琶湖蒸溜所」がある高島市新旭町の針江(はりえ)地区は、湧き水を生活用水に利用する「かばた(川端)」文化が受け継がれる、湧き水が豊富なエリア。「琵琶湖蒸溜所」でも、湧き水を利用したウイスキーづくりが行われています。
発酵の工程では、ステンレス槽ではなく、伝統的な木槽のみを用いているのが特徴です。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202609256617-O4-6QOwAx60】
リキュール
2026年多賀発リキュール「里和浸酒」が「モンドセレクション」スピリッツ&リキュール部門で金賞受賞
地域おこし協力隊として多賀町で活動した岩下晃士(いわしたこうじ)さんたちが開発するリキュール「里和浸酒 SATONOWA® No.3 クロモジ&赤シソ」が「モンドセレクション」で金賞を受賞。
[企画・販売元ピックアップ]
●おおたき里づくり研究所(多賀町)
[URL]https://www.satozukuri.jp/
リキュール「SATONOWA® 里和浸酒」は、多賀町産を中心とする素材を、草津市の「太田酒造」が酒粕をアップサイクルして製造した粕取焼酎に漬け込んだもの。現在は他県の酒造メーカーでの委託製造をしていますが、今後は、多賀町大滝地区の廃業した酒蔵を改装し、酒造免許を取得して自社製造をめざしています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202609256617-O2-j483m8eM】















