EYストラテジー・アンド・コンサルティング、浜松市の新たな水供給システム検討を支援
EY Japan株式会社
更新日時:8月31日 13時00分
~中山間地域における分散型水供給システムの有効性を検証し、最適な水供給システム構成を提示~
EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長 近藤 聡、以下EYSC)は、浜松市が実施している「令和7年度 浜松市 新たな水供給システム検討業務」(以下、本事業)を支援しました。
本事業は、浜松市の中山間地域における安全・安心な飲料水をはじめとする生活用水の安定的な確保に向けて、従来の水供給システム(※1)に代わるものとし、地域単位で水を供給する「分散型」水供給システム(※2)へ移行する際の効果を検証するとともに、それぞれの特徴を踏まえた水供給システムの最適な組み合わせのあり方について検討しました。
EYSCは、本事業において水供給システムの検討に向けた分析および従来の水供給システムと「分散型」の水供給システムのベストミックスの提案を行いました。具体的には、「分散型」システム導入の可否を判断するための評価の枠組みを構築するとともに、人口動態や施設条件などを踏まえた複数のシナリオ比較を実施し、地域特性に応じた水供給のあり方の整理を支援しました。
※1:旧簡易水道施設や飲料水供給施設等、管路ネットワークによる水供給
※2:従来の水供給システムの代替となる水供給システム
浜松市は、日本の市町村の中で2番目に面積が広く、南北の距離は約73kmにも及びます。特に中山間地域では人口減少が進み、水道施設の維持管理負担の増大や水源の不安定さといった課題が顕在化しており、より効率的で持続可能なシステムへの転換が求められています。こうした背景を踏まえ、浜松市は本事業を通じて、今後の水供給のあり方について具体的な検討を進めました。
具体的には、浜松市中山間地域における実際の旧簡易水道施設や飲料水供給施設を対象に、既存施設を更新する場合と、更新のタイミングで「分散型」へ移行する場合とを比較し、コストや運用面における効率性を検証しました。また、「分散型」への移行については、コストなどの定量面に加えて、課題解決への寄与といった定性的な観点からも有効性を評価しました。これらの検討結果を踏まえ、従来の水供給システムを維持することが適した地域と、「分散型」への移行が有効な地域を整理し、地域ごとの最適な構成を取りまとめました。
その結果、浜松市の中山間地域の一部では、「分散型」への移行が、コストと課題解決の双方の観点から、有効な選択肢となり得ることが示されました。具体的には、以下のような効果が見込まれます。
■ 戸別型浄水装置への切り替えにより、管路による送配水が不要となり、管路の維持管理・更新費用の削減が期待される
■ 雨水の再利用が可能な戸別型浄水装置の活用により、既存水源を代替または補完し、水供給の安定性向上が期待される
■ 可搬式の小型浄水装置の導入により、将来的な浜松市内の人口減少にも柔軟に対応できる
本事業は、実際の水道施設を対象に、「分散型システム」の有効性を多面的に検証し、地域ごとの実情に即した水供給の最適な構成を示した点に意義があります。今後、同様の課題を抱える全国の水道事業者にとって、水道サービスの将来像を検討する上での参考となることが期待されます。
EYSCは今後も、上下水道分野における新たな技術やソリューションの提案を通じて、地域社会の持続可能性向上に貢献していきます。
EYSC インフラストラクチャー・アドバイザリー リーダー パートナー 福田 健一郎のコメント:
「本事業は、人口減少や地理的制約といった地域固有の課題に対し、水供給インフラのあり方そのものを見直す取り組みであり、非常に意義深いものと認識しています。EYSCでは、従来の管路ネットワークに基づくシステムを前提とするのではなく、「分散型」をはじめ、地域特性に応じた多様な選択肢を比較・検討することで、持続可能な水供給の実現に向けた現実的な道筋の提示を重視しました。今回の検討成果が、浜松市のみならず、同様の課題を抱える全国の自治体にとっての一助になることを期待するとともに、今後も公共インフラ分野において新たな価値創出に貢献してまいります」
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