東京工芸大学 工学部森田教授が工業化住宅の長寿命化実態解明に向けた研究に参加
学校法人東京工芸大学
更新日時:8月19日 11時00分
ー株式会社住環境研究所・東京大学との産学連携ー
2026/08/19
東京工芸大学
東京工芸大学(学長:吉野弘章、所在地:神奈川県厚木市、以下本学)工学部・森田芳朗教授は、株式会社住環境研究所および東京大学大学院工学系研究科の権藤智之准教授と共同で、工業化住宅の長寿命化の実態と、その実現を支える要因の解明に取り組みます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202608184319-O1-VW72ADI8】
左から、東京工芸大学 森田芳朗教授、住環境研究所 太田真人所長、東京大学 権藤智之准教授
2026年7月、本学工学部建築コースの森田芳朗教授は、積水化学工業株式会社住宅カンパニーの調査研究機関である株式会社住環境研究所と東京大学大学院工学系研究科の権藤智之准教授と連携し、住環境研究所が保有する約60万件の住宅データの分析※1に加え、住宅所有者へのアンケート調査や訪問調査を通じて、工業化住宅※2(プレハブ住宅)の長寿命化の実態と、その実現を支える要因の解明に向けた研究を開始しました。
この研究で得られた成果は、住宅ストックの価値向上と長期活用に向けた知見を蓄積し、良質な住宅を長く使う社会の実現に寄与するものです。
近年、住宅や資源をできるだけ長く有効に使い続ける「循環型社会」(サーキュラーエコノミー)の実現や、国内における2050年カーボンニュートラルの達成に向け、住宅の長寿命化や既存住宅の循環利用が社会課題となっています。一方、工業化住宅は、工場生産による品質の均一化と高い施工精度を強みに、累計500万戸超が供給されるなど、日本の住宅品質の向上に貢献してきました。しかし、その長寿命化の実態や、それを支える要因は明らかになっていません。
森田教授は、国内外における住居の集合形態の多様性や長期的なマネジメント手法、住宅ストックの活用、高経年住宅の実態把握、都市空間の再生手法などの研究を長年進めており、工業化住宅に関する幅広い知見を有しています。
この研究では、森田教授および権藤准教授の学術的知見と、住環境研究所が保有する約60万件の住宅データや研究ノウハウを生かし、工業化住宅の長寿命の実態と要因の解明・検証に取り組みます。あわせて、実際の住宅を対象としたアンケート・訪問調査を実施し、住宅メンテナンスの実施状況、居住者による住みこなしや価値継承の実態などを把握します。これらの調査・分析を通じて、工業化住宅が長期間利用される実態を明らかにするとともに、長寿命化を支える住宅性能、維持管理、居住者行動などの要因を多角的に解明します。
さらに、得られた知見を基に、居住以外の用途への活用や、住宅の構造体や部材の再利用を含めた建物の長寿命化へと研究を発展させていきます。工業化住宅の長寿命化に関する知見を蓄積することで、循環型社会の実現と良質な住宅を長く活用する住社会の形成に貢献していきます。
今後、この研究成果は、建築学会等で発表される予定です。
工業化住宅の長寿命化実態に関する研究の社会的意義について、森田教授は次のように話します。「建築界でもファンの多いセキスイハイムM1※3。その住みこなしの実態は、開発者である建築家・大野勝彦氏(1944-2012)自身のアトリエによる精力的な調査が、2000年代初頭に行われました。大野氏は、鉄骨の柱梁の軸組フレームにさまざまな生活部品が取り付き、暮らしや時代とともに循環していく姿を構想しました。全国のM1を訪ね歩き、狙い通り、あるいはそれを超える使い方を目にしたときの大野氏のうれしそうな顔が思い出されます。それから四半世紀。今回の調査では、そのユニークな設計思想がお住まいの方とこれまでどう共有され、将来へどう受け継がれていくかを探ります」。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202608184319-O2-W6G6j5Ik】
※1 約60万件の住宅データ
分析する約60万件の住宅データは、セキスイハイムグループが1971年から提供してきた住宅に関する情報のうち、建築時期・エリアなど建物属性や診断受診等の履歴などです。なお、個人を特定できる情報は含みません
※2 工業化住宅
本研究では、工業化住宅をプレハブ住宅と同様の意味で用いています。なお、2025年度のアンケート調査では鉄骨造の工業化住宅に着目していますが、2026年度以降の研究では、構造種別を問わず工業化住宅を対象とします
※3 セキスイハイムM1
積水化学工業の住宅ブランド「セキスイハイム」の最初の商品として1971年に発売された、ユニット工法による工業化住宅
■森田芳朗(もりた・よしろう)【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202608184319-O3-c4rXN5Ks】1973年福岡県生まれ。1998年九州大学大学院工学研究科修士課程修了。2004年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。博士(工学)。2010年からは東京工芸大学工学部建築コースの教授として、建築・都市分野の教育・研究に携わる。
主な著書に『図表でわかる建築生産レファレンス』『箱の産業:プレハブ住宅技術者たちの証言』『世界のSSD100:都市持続再生のツボ』(いずれも共編著、彰国社)など。共編著書『建築・まちづくりのための空き家大全』は、公益社団法人日本不動産学会の2024年度著作賞(実務部門)を受賞しています。
■東京工芸大学
東京工芸大学は1923(大正12)年に創立した「小西寫眞専門学校」を前身とし、当初からテクノロジー(工学)とアート(芸術)を融合した無限の可能性を追究し続けてきました。2023年に創立100周年を迎えました。
【URL】 https://www.t-kougei.ac.jp/

森田芳朗教授太田真人所長権藤智之准教授

多角的に解明

東京工芸大学_森田先生お写真

