「中小企業の課題解決に向けたOFF-JT研修の活用に 関する意識調査」の結果概要
公益財団法人産業雇用安定センター
更新日時:6月30日 13時30分

~「承継人材」の候補者が社内にいる中小企業は5割、うち6割は特別な承継教育は考えていない。

一方、「承継人材」の候補者がいない中小企業の2割が「次代への承継は考えていない」と回答~

 

ジョブ産雇(正式名称:公益財団法人産業雇用安定センター 東京都江東区 岡崎淳一理事長)は、2026年5月、中小企業における社員教育に携わる課長職以上の役職員1,000人を対象に、「企業課題の解決に向けたOFF-JT研修の活用に関する意識調査」を実施し、その結果を取りまとめました。

ジョブ産雇では、今後、この結果を中小企業におけるOFF-JT研修の実施サポート等に活かしてまいります。

 

【調査結果のポイント】

◆「承継人材」(今後の経営を担う次世代リーダー・後継人材)について、社内に候補者が「いる」は48%、「いない」が52%(図1)。 社内に「承継人材」の候補者がいる企業では、その育成について「順調に育っており特段の育成は考えていない」(35%)が最多、「実務経験を積ませる以外は考えていない」が27%、「OFF-JTを活用する」は22%であった(図2)

◆「承継人材」の候補者が社内にいない企業では、承継人材の確保について、「社内で候補者を見つけ実務経験を積ませて育成する」が4割で最多、「OFF-JTを活用する」は1割。その他、「現社長限りとし次代への承継は考えていない」が2割あった(図3)

◆「DX推進人材」(省力化・生産性向上に直結するデジタル活用の推進者)が、現在社内に「いる」は2割、「いるが能力的に十分ではない」は3割、「いない」が5割であった(図4)

◆「DX推進人材」が「いない」、「いるが能力的に十分ではない」と答えた企業では、今後の人材確保について「人材を要するほどのデジタル推進は考えていない」(3割)が最多であり、「社内候補者をOFF-JTにより育成する」は1割に留まった(図5)

◆「OFF-JTによる社員教育・研修」について、過去3年間に「実施した」は54%、「実施しなかった」が40%(図6)。実施した研修テーマは、「組織の活性化、管理能力・従業員の意欲向上」(43%)、「自社事業の技術力、サービス力向上」(41%)が4割を超えて多かった(図7)。また、いずれのテーマも、研修効果は「予想以上」と「予想どおり」を合わせて6割~7割と高かった(図8-3)

 

■今回調査概要

時期:2026年5月

方式:民間調査会社への委託によるWEBアンケート方式

対象:中小企業(従業員300人未満)で社員教育の実施に一定の権限を有する課長以上の役職員

回答:1,000人(規模別内訳;5~9人規模143人、10~29人規模233人、30~ 99人規模322人、

100~299人規模302人)

 

 

中小企業の課題解決に向けたOFF-JT研修の活用に関する意識調査」の結果概要

 

1.承継人材の有無とその育成、確保について

(1) 承継人材の有無                   

現在、社内に承継人材(今後の経営を担う次世代リーダー・後継人材)がいるか尋ねたところ、候補者が「いる」は47.7%、「いない」が52.3%。「100〜299人」規模では候補者が「いる」が6割近いのに対し、「5〜9人」規模では候補者は「いない」が7割近いなど、企業規模間での違いが顕著で、小規模企業ほど事業承継の課題が大きいことが伺える。(図1)

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606291641-O13-N727A3Vi

 

(2) 承継人材の育成方針

承継人材の「候補者がいる」企業ではその育成について、「順調に育っており特段の育成は考えていない」(35.2%)、「育成の必要はあるが実務経験を積ませる以外は考えていない」(27.3%)が多く、いずれも小規模企業ほど割合が高い。「OFF-JTを活用する」は全体で約2割、企業規模が大きいほど割合が高く「100〜299人」規模では3割近かった。(図2)

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606291641-O14-gw5gqva4

 

(3) 承継人材の候補者がいない企業における人材の確保方針

承継人材の候補者がいない企業の対応としては、「社内で候補者を見つけ実務経験を積ませて育成する」(42.4%)が最多であった。一方、「現社長限りとし、次代への承継は考えていない」が全体で20.3%、企業規模別では「5〜9」人規模で43.8%、「10~29」人規模では24.0%と小規模企業ほど「次代への承継は考えていない」とする割合が高かった。(図3)

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606291641-O19-81QCbwlW

 

 

2.DX推進人材の有無と確保について

(1) DX推進人材の有無

現在、DX推進人材(省力化や生産性向上に直結するデジタル活用の推進者)が社内にいるかを尋ねたところ、「いる」は20.8%に留まり、「いるが能力的に十分ではない」(31.7%)と「いない」(47.5%)を合わせ全体の約8割がDX推進人材が不足していると答えた。企業規模によって傾向が異なり、「5〜9人」規模と「10~29人」規模では「いない」がそれぞれ69.9%、63.9%と6割を超えた一方、「100~299人」規模では「いない」は25.5%であった。(図4)

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606291641-O12-lz3Z3xho

 

(2) DX推進人材が不足している企業における人材確保の考え方

DX推進人材が不足している企業の人材確保の考え方は、「人材を要するほどのデジタル推進は考えていない」が29.3%と最も多く、小規模企業ほど割合が高かった。「社内候補者をOFF-JTにより育成する」は12.1%に留まった。(図5)

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606291641-O16-qNs6GL6V

 

 

3.過去3年間におけるOFF-JTの実施状況

過去3年間における「OFF-JTによる社員教育・研修」の実施状況をみると、「実施した」が計53.6%、「実施しなかった」が40.4%、「実施したかったができなかった」が6.0%であった。「100〜299人」規模では70.8%が「実施した」一方、「5〜9人」規模では逆に69.2%が「実施しなかった」など、企業規模による違いが明確となった。(図6)

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606291641-O15-uYY0jPE0

 

4.OFF-JTを実施した企業の研修テーマと実施方法、効果など

(1) OFF-JT研修の主なテーマ

OFF-JTを実施した企業の研修テーマとしては、「組織の活性化、管理能力・従業員の意欲向上」(43.3%)、「自社事業の技術力、サービス力向上」(40.5%)などが多かった。(図7)

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606291641-O20-ldSN4S6A

 

(2) OFF-JT研修の実施方法、研修時間、効果について

OFF-JT研修の実施方法、研修時間と研修効果については、以下のとおりであった(図8-1、図8-2、図8-3)。それぞれの相関を見ると、法令等の知識伝達が中心のテーマ(コンプライアンス強化等)では、標準化された手法による短時間集中型の研修で高い効果(7割超)が見られた一方、マインド変容や多面的な判断力向上等が期待されるテーマ(次世代リーダー育成等)では長時間の研修の割合が比較的高いものの肯定的な評価は6割を下回った。

 

【図8-1】OFF-JT研修の実施方法

テーマ内容による研修の実施方法に大きな傾向の違いはないが、「次世代リーダー・後継人材育成」では社外訓練・研修への参加方式の割合がやや高く(46.9%)、「コンプライアンス強化」では社内集合方式の割合が高い傾向(53.6%)が見られた。

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606291641-O23-Q0AeUbt6

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606291641-O28-60S8v9Id

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606291641-O24-al0Mi9XE

 

【図8-2】実施したOFF-JT研修の研修時間

「コンプライアンス強化」は「1日」以下の研修時間が全体の太宗(84%)を占めた一方、それ以外のテーマでは「2日」以上の研修が概ね5~6割を占めるなど特徴的な傾向の違いは見られなかった。

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606291641-O21-s6t13dV4

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606291641-O27-V0qe6DzC

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606291641-O25-lMskLt8G

 

 

【図8-3】実施したOFF-JT研修の効果

全てのテーマで「予想以上」と「予想どおり」を合わせた割合が過半を占めた。特に、「デジタル活用」、「新規事業展開」、「コンプライアンス強化」では7割を超えるなど、OFF-JT研修に対して肯定的な評価が多かった。

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606291641-O22-v30uw68M

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606291641-O29-kFGhPyY0

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606291641-O26-RDy3S8sZ

 

 

(3) OFF-JT研修の実施による副次的な効果

OFF-JT研修の副次的な効果については、「社内活性化」が49.8%、「組織風土の改善(学び合う文化や仕事に前向きな姿勢が醸成された)」が39.2%など、OFF-JT研修によって組織が強化されたとする肯定的な評価が、いずれの企業規模も上位を占めた。(図9)

 

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606291641-O18-ho0M6P5r

 

5.OFF-JTを実施しなかった理由

OFF-JTを実施しなかった理由では、「必要な時は不定期に実施しているから」(38.1%)、「研修を受講させるのにふさわしい者がいないから」(21.3%)などが多かった。(図10)

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202606291641-O17-4Kn5YU68

 

 

図8-3-2
図8-2-2
図8-1-2
図8-3-3
図8-1-3
図8-2-3
図7
図8-2-1
図8-3-1
図8-1-1
図3
図9
図5
図10
図6
図2
図1
図4
ジョブ産雇ロゴセンター名入り