持続可能な天然ゴム調達に向けた、小規模農家支援プログラムを実施
住友ゴム工業株式会社
更新日時:4月30日 14時05分

〜農家の収益性向上に貢献~

発行:2026年4月30日


持続可能な天然ゴム調達に向けた、小規模農家支援プログラムを実施

〜農家の収益性向上に貢献~

 

 DUNLOPグループの天然ゴム調達会社であるSUMITOMO RUBBER SINGAPORE PTE. LTD.は、サプライチェーンにおけるDUNLOPグループのパートナーで、天然ゴムの生産・流通を手掛けるHalcyon Agri Corporation Ltd.(シンガポール、以下ハルシオン・アグリ)の天然ゴム加工会社であるPT. Hok Tongと共同で、2022年からインドネシア南スマトラにおいて天然ゴム農家を支援する「Traceability and Transparency Pilot Project(以下、SNRプロジェクト)」を実施してきました。

 

 この取り組みにより、天然ゴムの生産性が向上し、生産者(農家)の収益改善につながりました。また、同じ農地で安定した収入を得られるようになったことで、農園を拡大する必要性が低下し、農園拡大に伴う森林減少の抑制にも寄与しています。これらの成果により、持続可能な天然ゴム調達に向けた当社グループの取り組みをさらに前進させることができました。

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202604288311-O1-Kfcjx5mS

天然ゴム農家への肥料など農業資材提供の様子‌

 

■取り組みの背景

 当社グループの持続可能な事業活動において、天然ゴムをはじめとする自然資本は不可欠な基盤です。当社グループでは、TNFD(Taskforce on Nature-related Financial Disclosures:自然関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づき、事業活動における自然資本への依存と影響、ならびにそれに伴うリスク・機会の特定・評価を進め、その対応を推進しています。その中でも、天然ゴムについては、「持続可能な資源」として将来にわたり活用していくことを重要な経営課題の一つと位置づけています。

 天然ゴムは、タイヤをはじめとするモビリティ産業に欠かせない重要な原材料です。一方で、その生産の多くは大規模プランテーションではなく、小規模農家が担っており、栽培方法や加工技術に関する知識不足などによる生産性および品質の低下、さらには収入の不安定さが、農園拡大による森林減少や生産地域の社会課題につながるリスクがあることを認識しています。こうしたリスクへの対応の一つとして、当社グループでは、小規模農家の生産性向上と生活水準改善を目的とした支援活動を実施しています。

 

■SNRプロジェクトの概要

 本プロジェクトでは、ハルシオン・アグリと協働し、天然ゴムのトレーサビリティ※1および透明性の向上に加え、インドネシア南スマトラにおいて生産者(農家)の生活水準改善を目的とした支援を行ってきました。天然ゴムに特化した環境・社会的リスク評価ツール「RubberWay®」※2によって当該地区でリスクとして抽出された、賃金水準および農業慣行に対するリスク緩和措置の一環として、天然ゴム農家の生産状況の実態調査や原料の流通経路の把握に加えて、農家に対する生産性向上技術の研修を実施、肥料の提供や施肥技術の指導などの支援を行いました。

 

【表】

技術指導の様子

 

■成果

 2022年から2025年まで(新型コロナウイルス感染症による一時的な中断期間を含む)の約3年間にわたり、1,000件を超える農家に対して支援を行いました。現地での対面による農業技術指導を重ねることで、農家との円滑な意思疎通や信頼関係の構築につながりました。これらの取り組みを通して,対象地域における天然ゴムの収量は最大約19%増加し、農家の収益も約25%向上するなど、生産性と生活水準の両面で顕著な改善効果が確認されました。

 

■ハルシオン・アグリからのコメント

 ハルシオン・アグリでは、天然ゴム産業の長期的な持続可能性は、小規模農家の生活の安定と密接に関係していると考えています。当社は、子会社であるPT Hok Tongを通じ、DUNLOPとのパートナーシップのもと、インドネシア・ジャンビ州において、小規模農家の能力向上を目的としたCSRプログラムを推進してきました。本プログラムでは、研修の実施や農業資材の提供、現地での継続的なサポートなどを通じて、農家の生産性向上を支援しています。

 強いコミットメントと継続的な投資により本取り組みを力強く推進いただいている住友ゴム工業との協働を、大変光栄に思います。本パートナーシップを通じて、生産性の向上や生計の改善を図るとともに、サプライチェーン全体における持続可能な取り組みの促進につなげていきたいと考えています。本協働が、天然ゴム産業の長期的な持続可能性の向上と、すべてのステークホルダーにとって意味のある価値の創出に貢献するものと確信しています。

 

■支援農家・ムリヨノ氏からのコメント

 肥料の施用後、ゴムの樹木の葉や樹皮の状態に明確な改善が見られ、樹木全体の健康状態が良くなりました。葉はより緑色になり、樹皮が薄くなったことで、樹液の採取もしやすくなりました。その結果、ゴムの収穫量はこれまでの約100kgから、125~130kg程度まで増加しました。

ハルシオン・アグリおよびDUNLOPからの支援は、生計の向上につながっており、今後もこうした取り組みが継続されることを期待しています。

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202604288311-O4-8xonD6v4

ハルシオン・アグリの調査員(左)に取り組みについて語る、支援農家のムリヨノ氏(右)

 

 DUNLOPグループは、企業理念体系「Our Philosophy」を体現するため、マテリアリティ(重要課題)※3を特定し、長期経営戦略に組み込んでいます。今後もハルシオン・アグリとの取り組みを継続するとともに、他の地域やパートナーとの取り組みにも発展させることで、天然ゴムの持続可能かつ安定的な調達の実現と、生産地域の環境保全ならびに生産者の生活水準改善など社会的課題の解決に貢献してまいります。

 

 当社は2026年より、コミュニケーションブランドをDUNLOPに統一しました。DUNLOPは、「挑戦を支える安心」「期待を超える体験」「限界への挑戦」という3つの提供価値を、すべての商品・サービスで体現し、革新的な体験を通じて世界中の人々にポジティブな感情を生み出すことを追求していきます。ブランドステートメント「TAKING YOU BEYOND」には、挑戦するすべての人々の可能性を広げ、その先へ導く存在であり続けるという想いを込めています。

 

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202604288311-O5-Mwm0iXMC

 

 

※1 農作物や製品の検査のため、生産・加工・流通などの工程を追跡すること

※2 ミシュラン、コンチネンタル、ソフトウエア開発会社SMAGが開発したアプリケーションソフト

※3 住友ゴムグループのマテリアリティ(重要課題):https://www.srigroup.co.jp/sustainability/materiality.html

 

関連資料

Final Report of the SNR Project (2023–2025) 【英文のみ】[PDF]