T-PECセミナー『あなたの身近に潜むギャンブル依存の実態 ~サポートコールの現場から~』を開催しました
ティーペック株式会社
更新日時:12月26日 09時00分
心理カウンセラーが語る「現場の実態とサポート事例」、24時間365日の専門相談で“初動の一歩”を支える
2025年12月26日
ティーペック株式会社
T-PECセミナー『あなたの身近に潜むギャンブル依存の実態 ~サポートコールの現場から~』を開催しました 心理カウンセラーが語る「現場の実態とサポート事例」、24時間365日の専門相談で“初動の一歩”を支える
ティーペック株式会社(本社:東京都台東区、代表取締役社長:鼠家 和彦)は、ギャンブル依存症予防回復支援センターの委託事業として「ギャンブル依存症サポートコール(以下『サポートコール』)」を2017年から運営しています。24時間365日、相談料無料で、臨床心理士などの専門職が電話相談に対応しています。
昨今のオンラインカジノ(違法賭博)の問題をきっかけにギャンブル依存症が大きな社会問題として注目される中、より多くの方に実態を知ってもらうため、2025年8月21日にはセミナー「あなたの身近に潜むギャンブル依存の実態~サポートコールの現場から~」を開催。実際に現場で対応するスタッフが登壇し、最新の相談傾向や支援内容について解説しました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202512251765-O1-mnBXi1d8】
背景
近年、スマートフォンやSNSを通じたオンラインカジノ・違法賭博の広がりにより、若年層を中心としたギャンブル依存が社会問題となっています。国立病院機構久里浜医療センターの調査(2024)では、国内で約180万人がギャンブル依存の疑いありとされ、国も規制強化や支援体制拡充に乗り出しています。
そのような中、ティーペックは30年以上にわたり医療・メンタルヘルス領域のコンタクトセンターを運営してきた実績を活かし、サポートコールでは、ギャンブル依存に特化した電話相談を担っています。
セミナー概要
「あなたの身近に潜むギャンブル依存の実態~サポートコールの現場から~」(2025年8月21日開催)
ティーペックが運用する健康・医療情報Webサイト「T-PEC Channel」会員向けに、サポートコールセンターの現場スタッフ(公認心理師、臨床心理士、産業カウンセラー)が登壇するセミナー「あなたの身近に潜むギャンブル依存の実態~サポートコールの現場から~」を開催し、最新の相談傾向や支援の実際を解説しました。
<セミナーで公開した主な知見>
兆候と進行:依存は「気づかないうちに始まる」ケースが多い。
社会問題:ギャンブル依存が疑われる人数は約180万人。また、違法カジノ利用者の6割は20〜30代。4割は違法と認識せずに利用している(警察庁「オンラインカジノ等に関する実態調査報告書 第1回2025年6月)。逆に、6割は「違法と知っていてもやめられない」状態と示唆される。
相談傾向:若年層の利用も多い。電話離れが指摘される20-30代であっても、最後の拠り所として相談につながるケースがある。家族からの相談もより深刻化している。
支援の要点:本人への支援だけでなく、家族や職場を巻き込んだ包括的な対応が不可欠。
支援アプローチ:債務整理、医療機関連携、DV相談センターの案内など、多面的なサポートを組み合わせる。
再生ステップ:孤立を防ぎ、継続的に支援を受けられる体制が回復の鍵となる。
セミナーアンケート結果と考察
セミナー参加者118名からいただいたアンケート結果の一部を公開します。
図1を見てわかるように約7割の方が、「ほとんど知らなかった/あまり知らなかった」と回答しており、ギャンブル依存に関する知識は十分に浸透していないということがわかります。
その一方で図2にあるように、9割以上が「比較的短期間で簡単にのめりこんでしまう」イメージを持っており、マスコミなどの報道からギャンブル依存のリスクのある部分は浸透しつつも、ギャンブル依存の全体像はあまり知られていないという実態もわかりました。
また、図3の「一度依存症になったら治る(回復する)ことはない」の設問に対しては約7割の方が「治る」イメージを持っており、タバコやアルコールなどの依存症に対して治療が広がっている背景もあるためか、適切な治療を受けることで改善に向かうことも認識されているものと推測されます。
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(図1)セミナー受講前、ギャンブル依存に関する知識についてどの程度ご存じでしたか?
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(図2)ギャンブル依存に関して、本セミナー受講前にもっていたイメージとして当てはまるものをお選びください「比較的短期間で簡単にのめりこんでしまう」
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(図3)ギャンブル依存に関して、本セミナー受講前にもっていたイメージとして当てはまるものをお選びください「一度依存症になったら治る(回復する)ことはない」
<感想>
・ アルコール依存症に対しては、少し知識がありました。ギャンブル依存症も同じ感覚でしたが、全く違う事を感じました。
・ 心配して話を聞く=追い詰めることになる場合があり、嘘をつかせる結果に繋がり、解決が遅れることはギャンブル依存症に限らないと思った。また、家庭と職場以外のコミュニティとの関わりや余暇の過ごし方で防止できる可能性に少し救われる思いです。
・ ギャンブル依存症とまでは言えないけど、近い方も多いと感じました。線引きが難しいです。
・ ギャンブル依存症の報道などがあったりして、少し関心があったが、漠然としていたので色々はっきりした知識を得られて良かったと思います。
ティーペック心理カウンセラーコメント
ギャンブル依存は「意思が弱いから」「本人の責任だ」と誤解されがちですが、実際には脳の仕組みが強く関与し、本人の意思に反した行動変化が特徴とされます。この誤解が、当事者をさらに追い詰め、孤立を深めてしまいます。相談につながらずに苦しむ人は少なくありません。
私たちが大切にしているのは、一瞬の「助けて」という声を確実に受け止めることです。依存に苦しむ方が「やめたい」と思えるタイミングは非常に短く、すぐに過ぎ去ってしまうこともあります。その瞬間を逃さないために、サポートコールでは24時間365日、相談料無料で、臨床心理士など専門職が対応しています。実際に深夜や早朝、孤独を感じやすい時間帯に多くの相談が寄せられています。
相談は本人だけでなく、ご家族やパートナーからも多く寄せられます。家族がどう対応すればよいか分からず苦しむことも少なくありません。ご家族への支援は、本人の回復を後押しする大切な一歩でもあります。どうか一人で抱え込まず、まずは声をかけてください。その一歩が、確実に回復への道を拓きます。
セミナー講師: 公認心理師・臨床心理士・産業カウンセラー
胡桃澤 優樹(ティーペック株式会社 こころのサポート部)
今後の取り組み
ティーペックは、今後もギャンブル依存をはじめとする社会的課題に向き合い、相談支援・啓発活動を継続してまいります。
ギャンブル依存症サポートコールとは
https://www.gaprsc.or.jp/supportcall/supportcall.html
「ギャンブル依存症サポートコール」は、一般社団法人ギャンブル依存症予防回復支援センターの委託事業として運営されています。ご本人やご家族が抱える問題の解決をサポートするため、24時間365日・相談料無料で、臨床心理士など資格を持つカウンセラーが対応します。
ご相談内容に合わせて、必要な情報やアドバイスを提供し、状況に応じて適切な機関へつなげることで、依存症からの回復を支援しています。
ティーペック株式会社
https://www.t-pec.co.jp/
24時間健康相談事業のパイオニアとして1989年に設立。医師・保健師・看護師などの医療資格者を有するコンタクトセンターを運営し、セカンドオピニオン手配サービスやメンタルカウンセリング、生活習慣病の重症化予防など、健康・医療分野における社会課題の解決を目的とした事業を多数展開。2017年から9年連続で健康経営優良法人『ホワイト500』に認定。





