J&J 慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫患者調査が示す治療における「負担軽減」のニーズを発表
ヤンセンファーマ株式会社
更新日時:9月1日 10時00分

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9月1日は「世界CLLデー」
Johnson & Johnson 慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫患者調査が示す 治療における「負担軽減」のニーズを発表
長期に向き合う疾患だからこそ、薬物療法経験者合わせて約50%が 「日常生活の維持」と「経済的負担の軽減」を目指した治療を期待

 

Johnson & Johnson(日本における医療用医薬品事業の法人名:ヤンセンファーマ株式会社、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:クリス・リーガー、以下「J&J」)は世界CLLデーである9月1日、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(以下CLL/SLL*)患者さんを対象とした、現在の治療に対する満足度及び薬物治療に対する期待などに関する実態調査(実査期間: 2024年10~11月)の結果を発表しました。その結果、薬物療法の経験の有無に関わらず、多くのCLL/SLL患者さんは、通院や服薬、日常生活における負担の少ない治療を望んでいることが明らかになりました。

*CLL: Chronic Lymphocytic Leukemia 慢性リンパ性白血病、SLL:Small Lymphocytic Lymphoma小リンパ球性リンパ腫

 

CLL/SLLは、白血球の一種であるBリンパ球ががん化しておこる血液がんの一種です。多くの場合、進行は比較的緩徐で、長期的に付き合っていかなければならない疾患です。初期の段階では症状が認められないため経過観察をし、進行性の症状が出てから治療を行うことが一般的です[1]。

 

今回の調査の結果、診療や治療全体に対する満足度は、薬物療法を経験したことのある患者さんが計60%(満足11%、やや満足49%)で、薬物療法を経験したことのない患者さんの計47%(満足18%、やや満足29%)よりも、高い傾向にありました【図1】。

また実施した治療に対する満足度は、点滴・注射での治療に対する満足度の計51%(満足4%、やや満足47%)よりも、経口薬での治療に対する満足度の方が10%高く、計61%(満足8%、やや満足53%)でした【図2】

 

またCLL/SLLの治療時に生活の中で重視することを尋ねたところ、これまで薬物療法を行ったことのある患者さんでは、「日常生活**への影響が少ないこと」が25%、「経済的負担が少ないこと」が24%で、この2項目を合わせ、計49%と約半数の患者さんが普段と変わらない生活を可能な限り維持し、また経済的な側面での負担も少ない治療を望んでいました。一方、薬物療法の経験がない患者さんでは、「日常生活への影響が少ないこと」と、「長く生きること」がともに29%で最も多くを占めました【図3】。

**身の回りのことが自分でできる、入院せず自宅で過ごせる、仕事への影響、趣味やライフワークへの影響の合算値

 

そして患者さんがCLL/SLLの治療薬に求めることについて、全体を100点として治療効果、安全性、その他の3項目について点数化してもらいました。その結果、3項目の平均点はそれぞれ、「治療効果」が47点、「安全性」が43点、「その他」が10点でした。各項目の下位項目では、「治療効果」の中では、「病気になる前の生活が維持できること(45/100点、平均点)」、「安全性」の中では、「感染症が少ないこと(43/100点、同)」、「その他」では、「外来で治療できること(39/100点、同)」が最も高いという結果でした【図4】。

 

さらに「その他」の下位項目を薬物療法経験別で分析したところ、薬物療法の経験がない患者さんでは、「外来で治療できる」が35点と最も高く、「治療期間が決まっている」で21点、「経口薬(飲み薬)」である」が18点という結果でした。薬物療法の経験がある患者さんでは、「外来で治療できる」が40点と最も高く、次いで「通院頻度が少ない」で21点、「治療期間が決まっている」が16点で、薬物治療経験の有無に関わらず、「外来での治療」や「治療期間」、「通院頻度」といった項目もCLL/SLLの患者さんが治療薬に求めることとして挙げられていました【図5】。

 

本調査の監修を務められた、新潟薬科大学 医療技術学部 臨床検査学科 血液学 教授の青木定夫先生は次のように述べています。「今回の患者調査の結果から、慢性リンパ性白血病の患者さんは薬物療法の経験の有無に関わらず、日常生活への影響が少ない治療法を望んでいることが明らかになりました。慢性リンパ性白血病は、治療の進展に伴い、一般健常人集団と変わらない生存率を目指せるようになってきました。一方で、長期につきあっていくことが必要な疾患であるからこそ、通院や服薬における負担がより少ない治療が求められるのだと思います」

 

また本調査に協力いただいた、CLL(慢性リンパ性白血病)患者・家族の会 代表の斉藤治夫さんは次のように述べています。「慢性リンパ性白血病の患者さんは、さまざまな不安を抱えながら、この疾患と長期に向き合っています。治療に関しては、患者さん一人ひとりが自己決定し、自分の人生を自分で選んでいただくことが最も大切だと考えています。そのためには、ご自身の思いや希望を主治医に伝え、納得できる治療法を選択できるようになればと願っています」

 

 

【調査概要】

調査主体 : ヤンセンファーマ株式会社

調査期間 : 定量調査 2024年10月4日~11月18日、インタビュー調査 2024年11月12日~24日

調査対象者 : 慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫と診断された患者さん 156人(うち11人がインタビュー調査にも参加)

方法 : インターネットもしくは郵送調査、インタビュー調査(調査実施会社:株式会社社会情報サービス)

監 修・協 力 :  CLL(慢性リンパ性白血病)患者・家族の会

青木 定夫 先生(新潟薬科大学 医療技術学部 臨床検査学科 血液学 教授)

 

【主な調査結果】  【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202508294332-O2-60O3zs2U】 【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202508294332-O3-WbeK356a

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なお、調査結果の詳細は別添資料をご確認ください。

 

慢性リンパ性白血病(Chronic Lymphocytic Leukemia)について

慢性リンパ性白血病は、一般的に進行の遅い白血球のがんです[2]。CLLは高齢の方に多く発症し、診断時の年齢の中央値は72歳です[3]。患者さんの予後はこの数十年で大きく改善したものの、増悪を繰り返すこと、治療が必要であることが、依然としてこの病気の特徴です[4]。再発や、治療に対する抵抗性を示すことがあり、多くの場合、患者さんは複数ラインの治療を受けることになります[5]。治療においては、ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤などの新規分子標的薬の登場で、一般健常人集団とCLL患者さんの長期の生存率は同程度にまで改善しています[6]。

CLLと小リンパ球性リンパ腫(Small Lymphocytic Lymphoma:SLL)は、同一の細胞起源を有する疾患と定義されており、日本国内におけるCLLとSLLの患者総数は、白血病全体の1~2%[7]、約2,000人と報告[8]されています。いずれも高齢者に多くみられる希少疾患で、化学療法のみでの治癒は難しく、再発・進行を繰り返します。

 

世界CLLデーについて

毎年9月1日は、World CLL Dayであり、この日は世界のCLLの患者さんやその支援者らが一体となり、疾患の認知を高め、患者さんの声を届ける活動を行っています。世界CLLデーには、CLL患者さんが集まり、患者さんが直面する診断や治療に関する不安や日常生活における困難について理解を深めます。詳細についてはこちらをご覧ください。https://www.wclld.org/

 

Johnson & Johnson について 

Johnson & Johnson (ジョンソン・エンド・ジョンソン、J&J)は、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。 

 

日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について 

Johnson & Johnson Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心・肺疾患領域における学術および情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。私たちは、医療の未来を切り拓き、日本の患者さんに革新的な医薬品をお届けしていきます。

 

Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報はinnovativemedicine.jnj.com/japan/をご覧ください。

 

 

参考文献

1 造血器腫瘍診療ガイドライン 2024年版 一般社団法人 日本血液学会

2 American Cancer Society. What is chronic lymphocytic leukemia? Available at: https://www.cancer.org/cancer/types/chronic-lymphocytic-leukemia/about/what-is-cll.html.

Last accessed: August 2025.

3 Eichhorst B, et al. Chronic lymphocytic leukaemia: ESMO Clinical Practice Guidelines for diagnosis, treatment and follow-up Ann Oncol. 2021 an;32(1):23-33.

4 Moreno C. Standard treatment approaches for relapsed/refractory chronic lymphocytic leukemia after frontline chemoimmunotherapy. Hematology Am Soc Hematol Educ Program. 2020;2020:33-40.

5 Bewarder M, et al. Current Treatment Options in CLL. Cancers (Basel). 2021;13(10):2468

6 European Hematology Association HemaSphere 10.1002/hem3.74 First-line ibrutinib treatment in patients with chronic

lymphocytic leukemia is associated with overall survival rates similar to those of an age‐matched general population: A pooled post hoc analysis

7 Aoki R, et al.: Pathol Int 58: 174-182, 200

8 厚生労働省: 平成23年患者調査 第97表.