AIを活用した河川水位予測モデルにより、河川の30分後水位急増を89%の精度で予測可能に
株式会社ベクターデザイン
更新日時:8月20日 19時06分
ゲリラ豪雨で高まる水害リスク対策に期待
株式会社ベクターデザイン(東京都渋谷区)はNumberホールディングス(富山県高岡市)とAI技術を活用した河川水位予測モデルの共同実験を実施しました。 当モデルは、地域の雨量情報や水位情報から河川水位の変動を予測することで、自治体の水防活動を支援することを目的としております。
近年、気象災害が増加し、大規模河川のみならず都市河川や用水路などの小規模な河川の水防対策の必要性が増しています。河川の規模にかかわらず、氾濫や冠水は生命・財産に対する被害が大きい傾向にあります。
実験ではMicrosoft Research(MSR)の機械学習アルゴリズムであるLightGBM(LGBM)を活用し、既設観測局のデータを元に観測地点ごとのモデルを構築しました。
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その結果、都内の河川にて20~30分後の水位急増を89%(R2)の精度で予測を達成しました。
今後は、国土交通省のXRAINや気象庁のナウキャストといった雨量レーダーのデータを活用することで、1時間以上前の予測計算の達成をめざします。
この度の実験では東京都内のデータで実験を行いましたが、自治体の所有する過去データを元にモデルの構築が可能なため、全国の観測点で予測モデルの構築が可能となります。
さらに、当モデルが算出する予想値と、実測値(自治体や官庁の既設水位局の観測データ)との突合を自動で行うことで、精度を向上する機能を実装します。
今後は2025年9月に2期実験を開始する予定です。
2期実験では以下の4点を検証テーマとします。
①都内の複数の河川でモデルの適用と検証を実施し、予想精度の向上を行う。
➁深層学習モデル(時系列Transformer)を利用して、予測精度の向上を行う。
③国土交通省XRAINの250mメッシュの座標点から水位変動と関連の高い地点の特定を行う。
④監視カメラの映像情報から河川の流速を計測するシステム(STIV)の検証も併せて実施する。
本サービスは、上記の2期実験をふまえて性能向上を図った後、2026年春に株式会社ベクターデザインの提供するクラウド防災システムQumowill PROの機能として水防組織向けに提供を行う予定です。

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