電通、「イマーシブメディアに関する調査2024」を実施
株式会社電通
更新日時:10月31日 11時15分

-10代のイマーシブメディア利用経験者は他世代の約5倍-

2024年10月31日
株式会社 電 通

 株式会社電通(本社:東京都港区、代表取締役社長執行役員:佐野 傑)は、国内電通グループ横断でXR※1テクノロジーに関するプロジェクトを推進する「XRX STUDIO」※2を調査主体として、全国10~59歳の10万人を対象に「イマーシブメディアに関する調査2024」(以下「本調査」、調査期間:2024年8月26日~9月2日)を実施しました。
 本調査は、2021年から毎年実施していた「メタバースに関する意識調査※3」から調査対象を拡大し、日本におけるイマーシブメディアに関する認知・理解度や利用状況の把握、今後の浸透策や活用方法の検討を目的に実施しました。3DCG技術を用いたゲーム・メタバース・拡張型広告を「イマーシブメディア」と定義し、海外・国内で主なゲーム型・交流型など8つのイマーシブメディアと、その他メッセージサービスや動画配信サービスなど主な7つのSNSについて聴取しました。本調査で得られた主なファインディングスは次のとおりです。

【主なファインディングス】
①主なイマーシブメディアサービスのうち、いずれか1つでも知っている人は過半数(55.5%)。年代別では10代が約9割(89.8%)で最も高い。

②イマーシブメディアサービスの利用経験者は20.8%。10代(65.3%)はその他の世代(12.6%)の約5倍。1サービスあたりの1日の平均利用時間について、イマーシブメディア(59.8分/日)は、SNS(46.6分/日)より約13分長い。

③イマーシブメディアサービスの楽しみ方について、上位3つはいずれも現実世界での友人知人と一緒に楽しむことで、それぞれ7割を超える。「ゲームをするための場として楽しむ」(78.9%)、「チャットや通話をしながら楽しむ」(73.7%)、「同じ場所に集まって一緒に楽しむ」(72.0%)。

④イマーシブメディア利用者における、アバターやワールドなど3Dコンテンツの制作経験者は約5割 (48.8%)。中でも最も多く「よく制作している」と回答した世代は20代(23.2%)。

注)本調査における構成比(%)は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります。
※1:VR(仮想現実)・AR(拡張現実)・MR(複合現実)など現実世界と仮想世界を融合して、新しい体験を創り出す技術の総称。
※2:2021年2月24日 「XRテクノロジーの活用で事業成長を支援する新組織「XRX STUDIO」発足」
※3:2023年12月11日 「電通、「メタバースに関する意識調査2023」を実施」

【各ファインディングスの詳細】
①主なイマーシブメディアサービスのうち、いずれか1つでも知っている人は過半数(55.5%)。年代別では10代が約9割(89.8%)で最も高い。
・イマーシブメディアの主なサービスの認知率(主な8サービスのうち、いずれか1つでも知っている割合)は55.5%。年代別では10代が約9割(89.8%)で最も高く、20代(65.4%)、30代(57.9%)と年代が上がるにつれて低くなった。【図表1】
・SNSの認知率(主な7サービスのうち、いずれか1つでも知っている割合)は94.8%。全世代で9割を超えた。【図表1】
 
【図表1】
Q. あなたは以下にあげる代表的なイマーシブメディアのサービスやSNSを知っていますか。【基数:全体(各SA)】
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410288918-O3-69vG61qY】 

②イマーシブメディアサービスの利用経験者は20.8%。10代(65.3%)はその他の世代(12.6%)の約5倍。1サービスあたりの1日の平均利用時間について、イマーシブメディア(59.8分/日)は、SNS(46.6分/日)より約13分長い。
・イマーシブメディアサービスの利用経験者は20.8%で、年代が下がるにつれて上がり、10代(65.3%)は、その他の世代(12.6%)と比べて約5倍。【図表2】
・直近1カ月以内のサービス利用者における、1サービスあたりの1日の平均利用時間について、イマーシブメディア(59.8分/日)は、SNS(46.6分/日)より約13分長い。【図表3】

【図表2】
Q. あなたが知っている代表的なイマーシブメディアのサービスやSNSについてお聞きします。あなたはそれらのサービスやSNSを利用したことがありますか。【基数:提示サービスいずれか認知者(各SA)】
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410288918-O4-6tHRKnl3

【図表3】
Q. あなたが直近1カ月以内に利用した代表的なイマーシブメディアのサービス、SNSについてお聞きします。あなたがそのサービス、SNSを利用する場合の利用時間は1日あたりどれくらいですか。以下のサービス、SNSごとに教えてください。※1日に複数回利用することがある場合は、その合計時間でお考えください。【基数:直近1カ月以内に各イマーシブメディア利用者かつ20-59歳(各SA)】
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410288918-O5-4eHN6074

 
③イマーシブメディアサービスの楽しみ方について、上位3つはいずれも現実世界での友人知人と一緒に楽しむことで、それぞれ7割を超える。「ゲームをするための場として楽しむ」(78.9%)、「チャットや通話をしながら楽しむ」(73.7%)、「同じ場所に集まって一緒に楽しむ」(72.0%)。
・直近1カ月以内のイマーシブメディア利用者におけるサービスの楽しみ方について、上位3つは、いずれもリアルな世界での友人知人と「ゲームをするための場として楽しむ」(78.9%)、「チャットや通話をしながら楽しむ」(73.7%)、「同じ場所に集まって一緒に楽しむ」(72.0%)ことで、年代別ではいずれも10代が高い。【図表4】
・年代別では20代が、「好きな開発者やクリエイターがいて、その人たちの作るゲーム・アイテム・配信などのコンテンツを楽しむ」(77.1%)をはじめとする7項目で最も高い。【図表4】

【図表4】
Q. あなたが直近1カ月以内に利用した代表的なイマーシブメディアのサービス※についてお聞きします。これまでにそれらのサービスを利用する中で、経験(けいけん)したことのある楽しみ方にあてはまるものを教えてください。
※以下のイマーシブメディアのサービスのうち、あなたが直近1カ月以内に利用したとお答えになったものについてお答えください。【基数:提示サービス直近1カ月以内利用者(各SA)】
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410288918-O6-3p9hQYAh

④イマーシブメディア利用者における、アバターやワールドなど3Dコンテンツの制作経験者は約5割(48.8%)。中でも最も多く「よく制作している」と回答した世代は20代(23.2%)。
・直近1カ月以内のイマーシブメディア利用者の中で、サービス内でアバターやワールドなどの3Dコンテンツの制作経験がある人(「よく制作している」「数回制作したことがある」「一度制作したことがある」の合計)は約5割(48.8%)で年代別では20代(63.6%)が最も高い。「よく制作している」だけでも20代(23.2%)が最も高い。【図表5】
・イマーシブメディアサービスを利用するデバイスについて、3Dコンテンツを「よく制作している」と回答した人は、全体よりもVRゴーグル(+20.5pt)、タブレット(+15.1pt)、PC(+13.1pt)などの利用率が高い。【図表6】

【図表5】
Q. あなたが直近1カ月以内に利用した代表的なイマーシブメディアのサービスについてお聞きします。あなたはこれらのサービス内でアバターやワールドなどの3Dコンテンツを制作したことはありますか。【基数:提示サービス直近1カ月以内利用者(SA)】
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410288918-O7-4hxhUp4O

【図表6】
Q. あなたが直近1カ月以内に利用した代表的なイマーシブメディアのサービスについてお聞きします。あなたはこれらのサービス内でアバターやワールドなどの3Dコンテンツを制作したことはありますか。【基数:提示サービス直近1カ月以内利用者(SA)】
Q. あなたが直近1カ月以内に利用した代表的なイマーシブメディアのサービスについてお聞きします。利用する際に使うことがあるデバイスとしてあてはまるものをすべて教えてください。【基数:提示サービス直近1カ月以内利用者(SA)】
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202410288918-O8-7q3oM009

【調査担当者の解説】
 2023年まで調査対象としていた「メタバース」という言葉は、3D環境内で他者との交流や経済活動を行う仮想空間を指していました。しかし、その表現からは、現実世界から離れて仮想空間に没頭し、生活や恋愛、社交などを行うイメージを抱く方が多いと感じています。一方で、実際には余暇時間に3Dゲーム内で他者との交流を楽しむなど、これまでの「メタバース」の概念では想像しにくい、新しい形態の仮想空間でのコミュニケーションが拡大しています。こうした現状を踏まえ、より広範なデジタル体験を包括する意味で、今回「イマーシブメディア」という概念で再定義し、調査の範囲を拡大しました。
 イマーシブメディアサービスの利用経験者を見ると、10~20代の若者を中心に広がっていることがわかりました。特筆すべきは、利用者ベースでの1サービスあたりの平均利用時間がSNSより長くなっていることです。現実世界の友人知人とチャットや通話をしながら楽しむことが多いようです。上の世代がメッセージングアプリやSNSで友人とコミュニケーションを取る一方で、10代は友人とのイマーシブメディア上でのコミュニケーションが主流になりつつあるのかもしれません。
 イマーシブメディアの現在の利用者の割合は10代が最も高い一方で、3Dコンテンツ制作経験者は20代・30代の男性の割合が高くなっています。これはスキルや開発環境の問題が関係していると考えられます。後に「イマーシブメディアネイティブ世代」と言われるような今の10代が年齢を重ねて自分のPCを保有する頃には、技術革新によって開発も容易になり、より多くの良質な3Dコンテンツが供給されることになるでしょう。それにより、このイマーシブメディア市場が一層拡大していくと考えられます。
 今後もイマーシブメディアに関する調査を継続的に行い、そこで得られた知見を発信していきます。

【調査概要】
・目   的:日本におけるイマーシブメディアに関する「認知・理解」や「利用」の現状把握および、今後の浸透策や活用方法の検討。
・対象エリア:日本全国
・対象者条件:10~59歳
・サンプル数:100000 ※
・調 査 手 法:インターネット調査
・調 査 期 間:2024年8月26日~9月2日
・調 査 機 関:株式会社電通マクロミルインサイト
※ 10万人に対し、性年代構成比を人口構成比(R2国勢調査)にあわせてウエイトバック集計を実施。「%」および「n」はウエイトバック後のスコア、サンプル数を掲載。

                                         以上